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むしろ具体によってとりこぼす可能性を考える。
世界、真実、永遠、宇宙、といったことばを詩歌で使いたくないとよくいわれる。「木」より「けやき」「はんのき」などと書き、枝葉のようすを描くよう勧められる。メソッドとしてそれは正しい。正義といってよい。そうすると、
大きな枠組は詩歌には悪だろうか。
悪ならばいっそう、乗りこなしてみたくなる。非個性の海に呑まれる恐れと抱きあいながら。
海は意味にけがされ/今では疲れてしまっている/比喩の残骸が/岩場にくだかれ/海/といわれても思いだすことは何もない
(「盆の上の女神」井坂洋子)