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161

写生とは、具体的な痕跡を写しとること。
痕跡とは、必ず過去に属するものである。
すると、写生とは過去に執すること、ということか。
造物主が遺した過去。あらゆる生命、あらゆる現象。
過去が、過去だけが、植物の霊のようにはびこり、さきわう、土地、生活、歌。

160

憎悪は憎悪されるか、喝采されるかのどちらかだ。
わたしたちが故なく、あるいは故あって嫌うもの。
そのものをあからさまに呪うことを、良心は許さず、好奇心は煽りたてる。
わたしたちは正義の女神に、きっと、けっして、出会わない。

159

異性の存在はよくもあしくもノイズである。集音したり、カットしたり、みんなみんな忙しい。

158

慰撫、誘惑。
悲傷、快楽。
どちらも魅力的ではあるが、後者組に与するほうが合理的ではあるだろう――偽善から免れたいのなら。

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