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誰かの、あるいは轢かれた猫、堕ちた鳥その他のご冥福なんてほんとうは祈ったことはない。
あるとすれば意思と感情をもつ遺族、関係者のためだけだ。
死者自身の冥福など想像できない。
死者はどこにも行かない。
この国では通常わずかな肉あるいは灰と骨をこの地上に残すだけ。
死者はここに残り、いる。いるけど、いない。
死はかなしくない。ただ、さびしい、さびしいだけ。

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