« 250 | トップページ | 252 »

251

沖合を左から、右へ、タンカーが横切って進むのを見ている。
私はだんだん天動説論者になる。
恋心のようである。
恋心は天界の清浄さや地底の猥雑さを求めたりしない。
ただ遠く、遠く、水平に、身体感覚がしだいにうすくなりぼんやりあたりへ溶け入ってゆくゆめをみる。

« 250 | トップページ | 252 »