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意味の通じる言語をしゃべる人たち、商品が親しげにかがやく通り、機敏なウエイター、うつくしくきよらかな老若男女、おちついた煉瓦造りのショッピングモールのなか、いつもいつでも異邦人のように私はいる。

逆に、外国語ばかりがとびかう輪の中や、服装も習慣も異なる秘境、どこにいても、ずっと前からそこの住人であったかのようになじんでしまう人もいる。

どんな場所も旅先になる人と、故郷になる人がいるのはなぜだろう。

私はさびしくないし、居心地もわるくない。ただ、自分をふしぎに思う。

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