« ヌンクァム | トップページ | ジュテーム »

ムーランルージュ

リアルタイム的コメント その5

(下の方の1から順にお読みください)

承前

著書としての『ゴシックハート』は「本格ゴシック評論」と銘打って
刊行していただいて、
この刊行のされ方には大変感謝しているのだが、ただ、
厳密には、私が真に評論と考えているものは
前著『無垢の力――〈少年〉表象文学論』だけで、
(その意味では『少女領域』も厳密な意味では評論的でないところが多い)
『ゴシックハート』はどちらかといえば怪奇や暗さと死に惹かれる意識の様相を
できるだけ冷静に記録してみたものというのが正しく、
そうした意識への真っ向からの批判は敢えて避けたので、その意味で、
自己相対化に富んだいわば「真の批評的な精神」は乏しいと言ってよいだろう。

跡上氏の用いる「ゴシックハート」だけを私の示したものとされることには
とりあえず反対しておくが、
ただし、『ゴシックハート』を読んでくださった方による見解として
このような批判がなされることに文句はない。
批判はこのようにして行うべきであるとも思う。

もうひとつ、「ゴシックハート」が既にひとつの一般名詞として
流通していることがありがたいような、こそばゆいような。

何より、私は、誰かが私の言葉に反応してくれるということが
嬉しくてならないので、
あてこすりめいたものや、著者名と書名を明確にしないまま行なわれる
卑怯な攻撃以外ならば、批判も歓迎する。
礼儀とルールを守る書き方ならばさらにありがたい。

特に今回の跡上氏による格式の高い批判は、
実のところ直接私へ向けてのものとは言えないが、
なんだかかゆいところを掻いてもらったような気さえする。

跡上氏は澁澤龍彦の研究家であり、かつセクシュアリティ問題に関しても、
さらには三島由紀夫に関しても詳しい学者の方である。
今後、期待して注目したい。


……もっと私を語って……

(この項終了)

|

« ヌンクァム | トップページ | ジュテーム »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ムーランルージュ:

« ヌンクァム | トップページ | ジュテーム »