カート・ヴォネガット
ときおり最低の地点というところに目がゆく。
前近代の被差別者の描かれ方は、今あるものがそれで正しいのかどうかは知らないが、「犬畜生と同じゆえ、いつでも打ち殺してよし」と尻に入れ墨されている男の話、とか、じっと我慢して汚れ仕事を続けていれば常人扱いしてやるぞという嘘を信じてあげく殺される話とか、平田弘史の「血だるま剣法」とか「武士道残酷物語」とか、あるいは岩井志麻子の「魔羅節」とか、そういう種類の話をたまたま意識して、人類の歴史の上で人権というのがとても特殊な考え方であることを考える日だった。
拷問・処刑というあたりへの否応ない意識の向かい方とそれはよく似ている。
楳図かずおに代表されるような恐怖漫画にもその種の非人権時代の名残のようなものがあって、それが読者に忘れられない印象を与える。
世界のいったい何パーセントの地域に人権という考え方が機能しているのだろう。
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