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リトミカ・オスティナータ

ねこ年
とりわけ今年は(犬さんには敬意を示しつつ)ねこの年であったと思う。

今年5月、猫専門誌を出している日本出版社から東雅夫編の競作集『猫路地』が出た。
ここに佐藤弓生とともに参加した。
いいんだこれが。

今月、ある方から来年のカレンダー「日本の猫」(平凡社)をいただいた。
いいんだこれが。

12/28、唐沢俊一プロデュース・梅田佳声口演・紙芝居「猫三味線(「ねこさみせん」と読むのが正しいもよう)」を見に行った。
いいんだこれが。

梅田氏の芸は今年の「幽」イベントのおり確認済みなので安心して佐藤弓生とともに出向いた。場所、恵比寿・ザ・ガーデンルーム。
三時間、全600枚におよぶ紙芝居の通し公演というのはなかなかこの先も簡単には実現しないだろう。
物語はものすごくひどい話なのだがそういうところは歌舞伎とか説教節とか貸本漫画とかアングラ芝居とかと共通するもので今は忘れられかけた見世物の味わいあり、あきらかに江戸の怪談芝居の系譜をひいている。これ自体文化財的なものである。
絵はリアリズム調・劇画的でところどころ台詞が書き込まれている。
この種のものの常でつっこみどころはいくらでもあるが、それは誰か他の人にまかせるとして、ところどころきわめて心に残る絵があって巧みである。佐藤と自分は特に主人を殺された飼い猫が墓の前で泣くところにヒット。
それとやっぱり後半の主人公と言える猫娘の愛らしさかな。
悲しく哀れな出自だが徐々に狂暴になって超人的に復讐、そして最後はやはり悲しく締め、といったフランケンシュタインのモンスター的エスカレーションもよし。
さんざんにいじめられる猫と猫娘だが書き手にどこか「猫愛」のようなものがあっていずれも可哀想でかわいらしい。
梅田氏の語りはやはり巧いが、今年夏の公演の、十分余裕のある、より笑い多いそれを知っていると、これだけの長さのものを持続させるには余裕の部分をいくらか削らねばならず、かなり大変なのであったことがよくわかる。
それだけに得がたい機会とも言える。

ということでいい猫見ました今年。

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