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ワッシリー・カンディンスキー

「今、書評はできません」

現在『ゴシックハート』に続く著作執筆中です。
なので依頼されても書評はできません。

そもそも一昨年くらいから、依頼されてやる書評はすべて断り、既に読んだものから特によいと思われるものだけを機会があれば紹介し、その場合は批判的なことは言わない、という方針でいる。

フリでいきなり依頼される書評は、それがよほどの義理でもない限り、やりません。

何にしても、今書いているものの喜びを中途半端な仕事で中断されるのが一番イヤだ。

こういうのは作家の場合は普通のことなのだが、名目上「批評家」などと言っていると「読むのが仕事でしょ」と言われがちである。

かつては「文芸評論家」と名乗ることが、ある利益になったが、最近はこの分類が自分の自由を制限し始めている。

澁澤龍彦の『思考の紋章学』についての「著者の言葉」を見ると、「自分は批評家と言われることもあるが飽くまでもエッセイストであり、楽しく読んでもらえればそれでよい」といった内容があった。

やはり澁澤さんも同じ不自由を感じていたのだな、と思った。

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らっこの毛皮

お知らせ二つ

【1】 「communio vol.4」 特集「廃墟」 が出ました。

「communio vol.4」
特集「廃墟」
特別対談 建石修志×高原英理「ゴシックと廃墟の相互作用」
間宮賢「廃墟と終末、あるいは腐敗したピリオドを巡って」
下川優生「廃線上の理想風景」
如月悠帆「崇高の所産としての怪物」

配布場所
■ヴァニラ画廊
中央区銀座6-10-10第二蒲田ビル4F
03-5568-1233
http://www.vanilla-gallery.com/
■ギャラリーミリュウ
中央区銀座6-10-10第二蒲田ビル3F
03-5537-8733
■スパンアートギャラリー
中央区銀座2-2-18西欧ビル1F
03-5524-3060
http://www.span-art.co.jp/
■すみれの天窓
新宿区歌舞伎町1-1-72F新宿ゴールデン街花園三番街
03-3209-1204
http://www.kokusyokusumire.net/tenmado/
■日本大学藝術学部江古田校舎B棟3F・所沢校舎文芸棟1F
■恵文社一乗寺店
京都府左京区一乗寺店払殿町10
075-711-5919
http://www.keibunsha-books.com/
■トランスポップギャラリー
京都府左京区田中関田町22-75
075-723-1780
http://www.trancepop.jp/
■サブタレニアンズ
大阪府大阪市中央区瓦屋町2-14-9
06-6762-7730
http://www.subterraneans.jp/

配布場所を追加しました

「バサラブックス」
〒180-0013
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-15-13
TEL:0422-47-3764
12:00~23:30
定休日 月曜日
↓地図のURLです。
http://www.mapion.co.jp/c/f?uc=1&grp=MapionBB&nl=35/41/58.166&el=139/34/53.388&scl=10000&bid=Mlink 


【2】 ★SPECIAL EVENT
小谷真理×高原英理■ト-クショウ/司会:今野裕一
3月24日[土]/19:00~

「ゴシック精神・傷・身体・人形」

■ 定員30名 ■ チケット:1500円 
◆参加費は展覧会入場料込みです。
■会場:parabolica bis[パラボリカ・ビス]
     2F/Costad'Eva[コスタディーバ]
東京都台東区柳橋2・18・11
(展覧会会期中 TEL 03・5835・1180)
■開場:開演30分前
■前売:会場のみ[パラボリカ・ビス]
■予約:ステュディオ・パラボリカ
info@2minus.com TEL 03・3847・5757(土日祝休)

●優先の前売チケットを発売します!
イベント各回10名様ぶんのチケットを
展覧会会期中のみ、会場で特別販売致します。
◆整理券番号は電話予約より早い番号になります。

★雑誌「夜想」が
ライブページとなるスペースを持ちました。
この春、2つの展覧会を開催いたします。

三浦悦子 ●『聖体礼儀』――記憶の饗宴
食べるということ、身体、死、記憶に刻む、そして復活。
死者を弔うこと、それを記憶すること、いつまでも思い続けること……。
2007年3月9日(金)~ 4月9日(月)
1F/Galleria Yaso nacht[ナハト]

やなぎみわ ●『Fairly Tale 老少女綺譚』出版記念ショーイング
2007年3月9日(金)~ 3月19日(月)
2F/Galleria Yaso mattina[マッティナ]

■月~金:15時~20時/土・日:12時~19時
■入場料:800円 /三浦展 /やなぎ展共通
■休館日:3月21日・28日/4月4日

詳細はこちらをご覧ください。
http://www.2minus.com/

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無垢の力

京極夏彦さんが直木賞を受賞されたときのこと

確か、受賞式のさい、京極さんはこんなことを言っておられたと記憶する。

「こういう文学賞というのはすべて支持してくださっている読者の方のためのものです。そう考えますと、今回の受賞はわがことのように嬉しい」

正確でないかも知れないが、ほぼこんな意味だったと思う。

このレトリックに座布団10枚。

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オルド・ヴィルトトム

上はヒルデガルト・フォン・ビンゲンの音楽劇の題名。

ある時期連続してやっていた教養風深夜番組のひとつについて記してみる。「文学ト云フ事」なんかをやっていた頃のことだ。
記録によると1994年のことらしい、哲学思想に詳しい小阪修平さんがフジテレビの「哲学の傲慢」という深夜番組に出ておられた。
西洋哲学の重要な人物とその思想を紹介して、そこにタレントのきたろうが質問するというもの。
ところが途中から視聴率が低下したのか、撮影場所が次第にチープになってゆき、最後近くではきたろうが「とうとうこんなところになっちゃいましたよ」と言っていた。
見ているほうにはあまりよくわからないのだが、どうも倉庫のような所だったらしい。
その頃の放送中、小阪さんが説明に「……ということでモノギをかもしたわけです」と言い、きたろうが「先生、それ、ブツギじゃないですか」と突っ込んでいた。
小阪修平が「物議をかもす」という表現の読み方を知らないはずがないから、これはわざとそう言ってみせて笑いをとろうとしたものと思われる。ただ、外していた。
そりゃね、哲学のプロではあっても笑いのプロじゃないんだから失敗は仕方ない。
それより、哲学の先生なんだから視聴率も何も、決められた期間、ただ出演していればいいだけなのに、プロデューサーに何か言われたのかどうかはわからないが、基本的には自発的にだろう、わざわざ慣れないギャグをかまそうとしたそのサービス意識にちょっと感動した。
という記憶。

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バッソ・コンティヌオ

もう既に先月刊行され、書店にも並んでいるトレヴァー・ブラウンの画集『Rubber Doll』がようやく送付されてきた。
アマゾンで見ると、トレヴァー氏と並んで、まるで共著のように見えますが、私はおまけです。
巻末の「エッセイ」を書いています。
これは飽くまでも「エッセイ」で、解説ではない。もともと私は解説者をめざしていないし。
原稿依頼のさいも「解説を」という指定はなかったのですが、これを「解説」とせず「エッセイ」としてくださったのは正しく、またありがたい。
絵はいいです。巻末のエッセイは、ま、つけたしというか、ご愛嬌みたいなものとしてごらんください。

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