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オルド・ヴィルトトム

上はヒルデガルト・フォン・ビンゲンの音楽劇の題名。

ある時期連続してやっていた教養風深夜番組のひとつについて記してみる。「文学ト云フ事」なんかをやっていた頃のことだ。
記録によると1994年のことらしい、哲学思想に詳しい小阪修平さんがフジテレビの「哲学の傲慢」という深夜番組に出ておられた。
西洋哲学の重要な人物とその思想を紹介して、そこにタレントのきたろうが質問するというもの。
ところが途中から視聴率が低下したのか、撮影場所が次第にチープになってゆき、最後近くではきたろうが「とうとうこんなところになっちゃいましたよ」と言っていた。
見ているほうにはあまりよくわからないのだが、どうも倉庫のような所だったらしい。
その頃の放送中、小阪さんが説明に「……ということでモノギをかもしたわけです」と言い、きたろうが「先生、それ、ブツギじゃないですか」と突っ込んでいた。
小阪修平が「物議をかもす」という表現の読み方を知らないはずがないから、これはわざとそう言ってみせて笑いをとろうとしたものと思われる。ただ、外していた。
そりゃね、哲学のプロではあっても笑いのプロじゃないんだから失敗は仕方ない。
それより、哲学の先生なんだから視聴率も何も、決められた期間、ただ出演していればいいだけなのに、プロデューサーに何か言われたのかどうかはわからないが、基本的には自発的にだろう、わざわざ慣れないギャグをかまそうとしたそのサービス意識にちょっと感動した。
という記憶。

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