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くまさん

穂村弘さんとの第二回目対談終了(3/28)。
今回は完全にクローズドで、編集の方と穂村さんと私との三人だけ。
こんなふうにすると一番いい話ができる。
先日の小谷さんとの対談(というよりは今野さんも含めた鼎談)も内容はよかったのだが、やはり今回ほどうまく語り合えたとはいえない。
ひとつには時間の制約がある。
今回はいつ終わってもいい形で、やってみたら3時間経っていた。
むろんここから徹底的に編集して本にするわけだから最終的にお目にかける部分はもっと少ない。
けれどもどこをとっても言いたいことだけを言い残しなく話し合っている。
そこがよい。
また、前回の穂村さんとの公開対談では、仕方のないことだが、常に聴衆の「受け」を意識した。
が今回はそういう配慮がいらないので楽だった。
この形でもう一度行われる。
そして少なくともあと一回は公開でも行われる。

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ルーネンベルク

3/24パラボリカ・ビスでのトークショーにおいでくださったみなさま
ありがとうございました。
こうした場合、私はその場での思いつきを重視するので、どんな話になるかは予めわからないのですが、後から考えて今回、自分としてさほど訂正すべき発言もなかったように思います。
小谷真理さんと今野裕一さんのどちらも話し易かったことが比較的自由に話せた理由かな。
まだ足りない、この程度で何だ、あるいは、その意見は間違っている、と、お考えになった方おいででしたらごめんなさい。
言い足りないことは多々ありましたがそれはこの先追々、文字として記してゆきたいと思います。

なお当日の私のなりを見て、ある方が「これに比べると普段のときは寝巻きってとこですね」とおっしゃいました。
私は飽くまでも著述家なので、本職の「見られる仕事」の方に比較されては話になりませんが、ともかく見苦しくはならないよう相当気遣ったつもり。
その上での失敗はどうかご愛嬌とお考えくださいませ。

また予定では11月ころに再度、小谷真理さんと公開でお話しする機会がありそうです。
日時等決定しましたらお知らせいたします。

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キール・ロワイヤル

小説 『神野悪五郎只今退散仕る(しんのあくごろうただいまたいさんつこうまつる)』 刊行のお知らせ

現在広島県の三次(みよし)というところに『稲生物怪録』というお化けの話が伝わってまして、それをもとに巌谷小波、泉鏡花、稲垣足穂といった作家たちがそれぞれの物語を残したことはここをごらんになる方はよくご存知のことと思います。
このいわば「稲生物怪テクスト」を一挙に集めて一冊にしよう、という企画が進められ、2003年、毎日新聞社刊・東雅夫編『稲生モノノケ大全 陰之巻』として完成しました。
これは700ページを超え定価5000円という大部の本であったのにもかかわらず増刷されました。
「陰之巻」とされたのは、その後に「陽之巻」が予定されていたからで、過去にさまざまな作家たちが「稲生物怪」物語を書いたのであれば、その後に現代作家にも書かせてみようという発案によったものです。
さて、陰之巻が成功したため、東雅夫編『稲生モノノケ大全 陽之巻』が2005年、同版元から刊行されることとなり、そのさい、私も秋里光彦の名で「クリスタリジーレナー」という短編を寄稿しました。
刊行の後、東雅夫さんからbk1の購買者特典として著者アンケートの依頼があり、このとき「作者の言葉」を送りました。
そこに次のようなことを記した記憶があります。

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とはいえ、今回はいくらか、状況に合わせたところもあって、著名作家とは言い難い私が、多少とも目立ちたければ、他の作家の方々が決して書かないだろう展開を見せるのが適当だろう、そう思い、最初に考えた、完全にオーソドックスで懐かしい「ひと夏のお化け屋敷物語」の案を敢えて退け、このやや淋しい物語の方を提出することにしたのである。
ゆえに、いつかもう一度、今度はあまり比較や「誰かとかぶってしまうこと」を意識せずに、一冊の独立した自著として「ひと夏のお化け屋敷物語」を存分に書きたいと考えています。
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以来2年、あのとき果たせなかった「ひと夏のお化け屋敷物語」をようやく書き終え、そして今年、これも毎日新聞社から単著としての刊行が決定しました。夏までに出る予定です。
題名は『神野悪五郎只今退散仕る(しんのあくごろうただいまたいさんつこうまつる)』とし、高原英理名義で刊行されます。
稲垣足穂の『山ン本五郎左衛門只今退散仕る』をはっきり意識したこの題でわかりますように山ン本五郎左衛門の対となる大妖怪として『稲生物怪録』に名の出ている神野悪五郎がこちらは二人の姉妹にお化けをしかけてくる、しかしそれは山ン本のときとは異なって、実はただの肝試しではなく、別の大きな目的があった、という内容の、現代を舞台にした夏のお化け物語となっております。

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