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飛ぶ夢

  一九二四年に誕生した少女型意識体は、一九三九年、十五歳を迎えるとともに一旦、白雪姫のように休眠に入る。外には無残な季節が来ていた。その言語道断な暴力にはもはやなす術もない。たとえ極寒の時が過ぎても、まだしばらくはあまりに貧しく慌ただしい。いずれ、十分気候がよくなったとき、彼女は眼醒めるだろう。だが、それまでは、二十数年もの間、眠り続けねばならない。
  眼醒めた彼女には新たな世界と新たな課題が待っている。
  敗戦後という社会状況は、彼女に何を与え、何を奪ったのか。
  それは、彼女がより強力な意識を得て再び壮麗な姿を現わす一九六五年から後、徐々に明らかとなってゆくことだろう。

『少女領域』第6章より

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