うつし世はゆめ、夜の夢こそまこと
子らはさぞさぞ惧れたのであろう、夕闇に紛れどことも知れぬ彼方から子を取りに、生膽を取りに来る、爪の尖った異形の鬼たちという想像をだ、角ひとつ曲がった先も知れない暗い心細い夕暮れと、赤々と悔いを迫るような夕陽と、たちまち拡がる宵闇と、そこにどうしたことか親とはぐれて佇む幼児の小さな胸奥の、早鐘のような鼓動が我が身に今もとどろきそうだ。
「日の暮れ語り」より
| 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/187731/40097909
この記事へのトラックバック一覧です: うつし世はゆめ、夜の夢こそまこと:
最近のコメント