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うす情け審議会

アニメーション「海月姫」のヒロインが渋谷あたりのイケてる人々を見て「あっ オシャレ人間だっ!」と言って恐れるのを見るたびにせつない。

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うーさん党

今、真剣に自分としては本質的と思える小説を書き続けているが、こういう仕事は、農作業が僅かな気候の変化によって大きな影響を受けるように、ごくつまらないようなことで何かが違ってきて、うまくゆかなくなったりもする。
偶然それがよい方向に向くこともある。
ただ、こういうときはむき出しの心でいるので、私の場合はとても子供っぽい意識になりがちで、できるだけ「ぼくなんか」と思わされるようなシチュエーションからは逃れるよう心がけている。
自身編集にも長く携わった中井英夫は「編集者の仕事のひとつは作家をうまくおだてることだ」と言った。
甘えるな、とか言いたい人は言うがよい。
だがそれで本当にいい作品ができるなら、多少甘やかされてもよいではないか。
というか、私を甘やかしてくださる方は今いらっしゃいませんので、その言葉は余計なお世話だが、少なくとも、ネガティブにならないでいられるようにするためなら何でもしないといけない時期なのだ。
それだからできるだけアウェーな場所には行かないし、仕事は別にして、多少時間があってもよほどの義理がなければ人に会うことは避ける。なのでそこんとこよろしく。
例外はごく限られた親密な人々と会うときだけだ。
このくらい気をつけているのだが、それでもなんか妨害としか思えないようなものがときに郵送されてきて、たとえば依頼されて書いたエッセイが自分だけ変な位置に載っていたり、名前を誤って表記されていたりすると、二、三日は書く速度が落ちる。あああこんなことで意気消沈するなんてなんて子供っぽいことだと思いながら、意気消沈している。
どこに躓きの石があるか知れたものではない。
が、一昨日の青蛙会は何一つ嫌なことがなかったので、おいでの皆様には心より感謝申しあげます。
いずれ第二回もやるつもりだが、その頃はもう少々平静の心でありたいものだ。

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命あずけます連合

絵本『しろいうさぎとくろいうさぎ』のこと

ガース・ウィリアムズ著・絵、まつおかきょうこ翻訳。日本では福音館書店刊(1965/6/1)

昨日、この絵本について、ある方と少し話すことがあった。
ひとまず私の立場は以下の一節とほぼ同じ。


「『しろいうさぎとくろいうさぎ』みたい」とリーが言った。
 絵本である。いつも一緒にいた白いうさぎと黒いうさぎだったが、ある日、黒いうさぎがなにやら憂鬱そうにする。ずっと一緒にいられるのか、気になるらしい。それで結婚することにした。森の動物たちが祝福し、頭に花をつけて踊った。そんな様子が描かれている。
 リーの好む絵本だが、一部からは「結婚至上主義だ・ヘテロセクシュアル優位主義だ」等の理由から批判されることもあるという。
 結婚してみたところで別れる者は別れる。
 とはいえ私たちも籍は入れているので結婚批判はできない。挙式も披露宴もしなかった。子もない。それで地域的な相互扶助関係も少ない。各々の両親には年数回合う程度だ。親類に会う機会はさらに少ない。ともに住んでいるならどういう形であれかまわないが、かろうじて互いの親から文句のないよう考えた結果が籍を入れることだった。(「遍歩する二人」)

その方は、この絵本について、「絵はかわいくてよいが、話が好きになれない」という趣旨のことを言われたと記憶する。
このあたり、もう少々よく話せばよかったと後で考えたが、そのときは忘れてしまってそのままである。
この絵本の引き出す問題点について、もう一度よく考えてみたいと思っています。

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涼しげな風評議会

友人の間宮賢くんはよく旅行に行く人だが、このたび、旅先で知った怪談をいくつか土産話に語ってくれるというので、今月のカフェ百日紅での催しを怪談会とすることにしました。
催し名を、間宮くんの意向で、岡本綺堂の『青蛙堂鬼談』にちなみ「青蛙会」とします。
もしこの先もここで怪談会をやるときは同じ呼び名にしようかな。
10月22日(金曜日)20:00~カフェ百日紅、です。
参加無料、ただしワンドリンクオーダーお願いします。

催し内容、以下のとおり
1人15分程度で1話か2話ずつ、順番に怪談を語る会です。
もちろん、聞くだけのご参加も歓迎致します。
できるだけ他で聞けないような話が望ましいですが、厳密な実話に限定はしません。
真偽はわからないがどっかで読んだ聞いた話、よくできているがあまり知られていない話の紹介、著名怪談伝承の考証、あるいは知られた都市伝説にちなむエピソード・ヴァリエーション等でもかまいません。
また既に他で何度か披露してきた持ち話でもけっこうです。

同カフェサイトでのイベント紹介などもごらんください→


一方、佐藤弓生が出演する「詩歌梁山泊」、なんと既に予約で満席だそうですが、是非にという方は当日なんとかなるでしょう。
日時:2010年10月16日(土)午後2時10分開場 午後2時30分開演
場所:日本出版クラブ会館 鳳凰 
料金:2,000円(3部の懇親会は別途7,000円)

1部 2時30分から 「ゼロ年代から10年代に~三詩型の最前線」
歌人/佐藤弓生、今橋愛
俳人/田中亜美、山口優夢
詩人/杉本徹 、文月悠光
司会/森川雅美

2部 4時20分から5時50分 「宛名、機会詩、自然~三詩型は何を共有できるのか」       
歌人/藤原龍一郎
俳人/筑紫磐井
詩人/野村喜和夫
司会/高山れおな

3部 6時から8時 懇親会(要予約)

「1部2部は、出来るだけ事前にお申し込み下さい。当日参加も歓迎いたします」  
とのことです。

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賢者の石磨きます

朝日新聞9/28朝刊に掲載の斎藤美奈子さんによる「文芸時評」で「遍歩する二人」のご紹介と言及をいただきました。
それと、同記事に山福朱実さんの版画が挿絵として載っているのですが、今回、上作品の一場面をちょっとアレンジして描いていただきました。
素敵かわいいです。
こちら、山福さんのサイトで見られます→
ご感想などもいただいています。

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