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牛鬼の鳴かぬかぎりはあらじとぞ思ふ

ブラームスの室内楽とピアノ小曲はどれも好きなのだが、交響曲だけはどうしても同時代のブルックナーと比較してしまうからか、悪くない、という程度の聞き手だ。ブラームスで管弦楽付きの大規模な曲なら「ドイツ・レクイエム」が最も好き。
そういう中では四番が比較的心にかない、三番の三楽章のようにとても好ましい楽章もある。音の厚みを聞くなら惜しみないし、確かに四曲とも名作には違いない。
そのブラームスの交響曲の一番の制作にはひどく時間がかかったことはよく知られていて、先行する交響曲の巨人たちを意識し、かつ聴衆の意向にも応えうるものを求めた結果といわれるが、一番を完成し演奏会を成功させると、次の二番は思いのほか短い期間に書かれた、というのもブラームスとその周辺を知る人には常識だろう。

でまあ自分のことだが、先の発表作で納得はしたとはいえ、やや力入り過ぎたかな、と思えもするし、ここでブラームスにたとえるのも不遜の限りだが、ともかく、ある程度の長さを持つ作を、ひたすら内声部を充実させるような手つきで書き込んで完成させた次は、もう少しシンプルな作を書こう、と、本日、思いましたとさ。

付、ブラームスの室内楽の中でも、クラリネット・ソナタ、チェロ・ソナタ、ヴァイオリン・ソナタというような楽器の少ない曲が特に好ましい。ピアノ曲も間奏曲とか本当に小さい規模の曲がよい。ブラームスの本領って実はそういうところかなと個人的には思ったりもする。

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