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しかぞ住む(けど)世を鬱だ死のうと人はいふならむ

しばらくカフカを読み返しているので、近く、カフェ百日紅でカフカ大会でも、と思うのですが、どうも今月は体調的に苦しいかも知れないので来月かな。

「手稿版」による池内紀訳の『カフカ小説全集』の5巻「万里の長城ほか」・6巻「掟の問題ほか」を持っている。
ノートに記された断片や草稿を全訳したものだ。
後に出たuブックス版カフカ・コレクションの『ノート1 万里の長城』『ノート2 掟の問題』の二冊が同じ内容をもとにしているらしいのだが、厚さが違いすぎる。
全部は収録されていないのだろう。どこが取捨選択されているかも知りたい気がする。
長篇は『城』も『審判』も読んだが『アメリカ』改め『失踪者』だけまだだ。
小品と短編ならちくま文庫の『カフカ・セレクション』1~3もよいと思う。
一巻本で平凡社ライブラリーにも『夢・アフォリズム・詩』というのもあった。
小品や断片・草稿は三省堂版の『カフカ事典』の該当項目とともに読むと書かれていることの小説内での意味がある程度わかったりする。作者の意図とか要約とかではなく、読んでいたのに気付かなかった重要部分を示してくれるからだ。
カフカの場合、全体をよく読んできた人の説明は相当有効なことを知った。なにしろ草稿と断片が大半なのだ。

この『カフカ事典』を先日、古書信天翁(あほうどり)で手に入れたことが今のきっかけだ。
よい本だった。
古書信天翁さんにもありがとう。日暮里、谷中ぎんざ商店街入り口にあります。

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