群像新人賞についてもうひとつ。以下★~☆間引用
★2003/11/18 Tue 水晶狂い
最近
(2001年11月1日の記録による。なおこの年、佐藤弓生は角川短歌賞を受賞した。私は96年に群像新人賞優秀作となっている)
見つけたおかしい話
「公募ガイド」から佐藤に「受賞者紹介記事」の依頼があって見本誌今月号をもらってきた。
「群像新人賞」のところ見てみたら、囲みに群像新人賞出身作家・評論家の名が列挙されていたのだが、その紹介が
「本賞から排出した作家」
わしらウンコか!☆
上、正しくは「輩出」であるのは言うまでもない。この記事の掲載された「公募ガイド」はどこへ行ったかよくわからない。なくなったとしたら残念だ。
いや、それより「公募ガイド」は今も刊行されているのだろうか。
上にあるとおり自分は1996年第39回群像新人文学賞評論部門優秀作、なのだが、一時、受賞作品の題名「語りの事故現場」が「語りの自己現場」と誤記されていた。現在は大方直っているがまだ一部未訂正のものもある様子だ。
正しくは「事故現場」なので、もし間違いを見つけた方はどうか訂正お願いします。
それと、Wikipediaの「群像新人文学賞」を見ると、第39回は
小説部門 第39回(1996年) 当選作なし 優秀賞 堂垣園江 「足下の土」
評論部門 第39回(1996年) 当選作なし 優秀賞 川田宇一郎 「由美ちゃんとユミヨシさん 庄司薫と村上春樹の『小さき母』」、高原英理 「語りの事故現場」
となっていて、評論部門は正しいが、小説部門に重大な間違いがある。
この回、当選作はなしではなく、鈴木景子「やさしい光」が当選作である。
ここには、記事内容に関係のある私からの編集書き込みはできないので、やはりどなたか、志ある方に訂正していただけることを希望します。
この記載のせいで、今もかなり多く、群像新人賞第39回の小説部門を「当選作なし」とした記事を見かける。
なお、評論部門は上のとおり、当選作はなしの優秀作二作。この回は、小説当選一作・優秀一作・評論優秀二作、という大変盛大な回で、四人が受賞・優秀作だった。
さらにもうひとつ、私とともに優秀作を認定された川田宇一郎が、近く、遂に単著を刊行することになったのでここでもお知らせします。
川田くん、おめでとう。
『女の子を殺さないために 解読「濃縮還元100パーセントの恋愛小説」』川田 宇一郎 (著)
ISBN-10: 4062175207 ISBN-13: 978-4062175203 発売日: 2012/3/1
目次 は以下のとおりとのこと。
第一章 村上春樹
●男の子はつらいよ
●「ゲーム」で「人工的」でいまいましい小説とはどういうものか?
●そしてハートフィールドの謎解き
第二章 古井由吉
●なにはなくとも幼なじみ
●女の子が前を歩いて男の子が導かれること
第三章 川端康成
●「キャラクター」として可愛がられる「薫くん」
●『赤頭巾ちゃん』と『ライ麦畑』
●カオルクン的気持よさの発見
●ラブコメと川端康成
●「薫」という名前のメッセージ
●文芸評論の自己愛
第四章 庄司薫
●女の子を必要としない物語ってなんですか?
●1969年の逃走論
●キャラメルママとエレクトロニック・マザー
●「ママ」を「ママ」らしくさせないために
第五章 坂口安吾
●女の子が死ぬのは、泣かせるため?
●女の子が歩くと落っこちること
●女の子は落ちることにより「ママ」から抜ける
●池の下の雲
●「由美ちゃん」の誕生
●物語論の底へ
第六章 柴田翔
●セックス=女の子が落ちること
●石原慎太郎によるセックスの二つの区別の発生
●崖の上の娼婦
●終わりに……嫌われるために
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