日大芸術学部文芸学科で
武蔵野大学で週一回に加え、今年から日本大学芸術学部(所沢校)で幻想小説論/ミステリー小説論を半期ずつ週一回教えることになり、後期に入った。
好きな話ばかりできてありがたい。
ただ、自分の場合、大学で教えるのはこの週二回が限度かなと思う。
日大の方のテキスト中に一冊、『江戸川乱歩短篇集』(岩波文庫版)を決めている。
またお前の趣味かよと言われますね、はいそうです。
それはともかく、これまで乱歩等探偵小説作家には冷淡だった岩波文庫での収録作が最も乱歩の文芸作品を中心にしていて、生徒に勧めやすいのはなんだか皮肉であります。
ともすれば推理作家・江戸川乱歩、を押し出す他社の文庫では、推理小説としての金字塔作品にばかり焦点があっていて、一冊としての短篇集では乱歩の怪奇幻想小説のおもしろさをよく伝える作品が抜けていることも多い。
ただし、非常に残念なことに岩波版には「芋虫」が入っていない。
そこが岩波のヘタレなところ。
岩波文庫版『江戸川乱歩短篇集』収録作品以下(以前も書いたかな、なら再度)
「二銭銅貨」
「D坂の殺人事件」
「心理試験」
「白昼夢」
「屋根裏の散歩者」
「人間椅子」
「火星の運河」
「お勢登場」
「鏡地獄」
「木馬は廻る」
「押絵と旅する男」
「目羅博士の不思議な犯罪」
これに「芋虫」が入ればかなり完璧と思う。
ところで「何者」という短篇が一部ミステリファンには評価が高いと聞いたことがあるが本当かどうか。理由は、「犯罪の動機にオリジナリティがあるから」だそうである。それはわかるけれども、小説としてはさほどではないと思う。
といったように、ミステリ基準というのもあるらしいという話。
芸術学部なのでミステリでもアート性もしくはエンターテインメント性のいずれかを優先したい。トリックがすごいだけでは不足とする。上の作品はどれも文芸としてよい。
さらに言うなら、エログロ長篇にも大いに見るべきところがあるのだが、というより、むしろそちらに焦点をあてたいところではあるのだが、さすがにこれ以上乱歩ばかりでもどうかと思い、短篇集のみとした。
ほかには、デ・ラ・メア「なぞ」ポー「アッシャー家の崩壊」ドイル「まだらの紐」チェスタトン「折れた剣」ウールリッチ「非常階段」というのが後期前半の必読作品。
後期中盤が乱歩短篇集で、後期後半にもあと数作読んでもらう予定。
「D坂の殺人事件」
「心理試験」
「白昼夢」
「屋根裏の散歩者」
「人間椅子」
「火星の運河」
「お勢登場」
「鏡地獄」
「木馬は廻る」
「押絵と旅する男」
「目羅博士の不思議な犯罪」
これに「芋虫」が入ればかなり完璧と思う。
ところで「何者」という短篇が一部ミステリファンには評価が高いと聞いたことがあるが本当かどうか。理由は、「犯罪の動機にオリジナリティがあるから」だそうである。それはわかるけれども、小説としてはさほどではないと思う。
といったように、ミステリ基準というのもあるらしいという話。
芸術学部なのでミステリでもアート性もしくはエンターテインメント性のいずれかを優先したい。トリックがすごいだけでは不足とする。上の作品はどれも文芸としてよい。
さらに言うなら、エログロ長篇にも大いに見るべきところがあるのだが、というより、むしろそちらに焦点をあてたいところではあるのだが、さすがにこれ以上乱歩ばかりでもどうかと思い、短篇集のみとした。
ほかには、デ・ラ・メア「なぞ」ポー「アッシャー家の崩壊」ドイル「まだらの紐」チェスタトン「折れた剣」ウールリッチ「非常階段」というのが後期前半の必読作品。
後期中盤が乱歩短篇集で、後期後半にもあと数作読んでもらう予定。
それにあわせ私も再読している。
心から好きな作品ばかりだから実に楽しい。
心から好きな作品ばかりだから実に楽しい。
| 固定リンク
最近のコメント