大ロマンの復活
っていうシリーズについては、ここでは何度か書いてたかも知れないが、今改めてよいものと思う。
版元の桃源社は今はもうないはずだ。不動産会社かなんかの名前で同じのがあったが同じ会社の別分野経営なのか完全に別会社なのか知らない。
国枝史郎と小栗虫太郎はここが復活させなければ読めなかったでしょう。
小栗虫太郎の「ほぼ全集」である『小栗虫太郎全作品』もこのシリーズで出た本を集めて版を変えたものだ。
本当はもう少し完全なものが欲しいところだが私はこの全作品も全部は読んでいないからまあそこはよいとして。
国枝史郎は今、大判の全集が未知谷から出ていますね。値も高い。ところがこの全集の完結後、さらに拾遺的に五冊かそこら、同じ大きさの本が出ていて、どんなけあるんだ、国枝。
ともかくこれだけ完全網羅された国枝史郎は、死後だが幸せな作家と言える。
他に「大ロマンの復活」から読まれ始めたのは海野十三と香山滋かな。どちらも三一書房からこれまたいい感じの全集が出ている。ただし三一書房もまた、活動停止なのか倒産なのかわからないが、今はほぼないのと同じ状態だと思う。厳密にどういう状態と言うかは知りません。本はよく古本屋で見かけるし、かなり安くなっているから、そろえるなら今だ。
桃源社版「大ロマンの復活」もよく見かけるが、これ、全巻でいったいどれだけあるのやら、横溝正史もあったし久生十蘭も橘外男も野村胡堂の捕物控以外の探偵小説もあった。
という1969~70年あたりの回顧でした。
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