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心から楽しみたい

今回のエッセイ集のテーマは文学に限らない。
が、文学への言及部分では澁澤龍彦・中井英夫のほかに稲垣足穂・折口信夫・三島由紀夫・江戸川乱歩が特に多く言及対象になっている。相変わらずである。
私としてはそれで十分だったのだが、「評論家」枠で仕事が来ていたときは、他の偉い評論家があんまり言及しない新刊本の書評ばかり依頼されて、そこには確かに目を見張る作品もごく少数あったが、しかしだいたい六割以上は残念な気がした。いろいろ好意的に読むことはできるが、それでも「なんか心からは面白くない」のである。そのうち私は下手な作品の取柄を見つけることがけっこううまくなった。
私が「評論家」を名乗るのをやめたのはそれからしばらくしてである。(つづく)

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